インコには頭や顔や体に白いトゲのようなもの、ツクツク筆毛ができる時期があります。
インコは痒そうにしていますし、かわいい愛鳥の見た目もちょっと変わるので、飼い主にとっては気になる存在です。
カキカキして、取るのをお手伝いしたほうがいいのかな?と迷ってしまう飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、インコのツクツク筆毛をどうしたらいいのか、インコの換羽時の注意点、インコが出血した場合の対処法を、専門書から得た知識や私の飼育経験をもとに詳しく説明します。
インコのツクツク筆毛どうする?
インコのツクツク筆毛、基本的には何もしなくて大丈夫です。自然ととれていきます。
そもそも、このツクツク筆毛はどうしてできるのでしょうか?
インコには換羽があります。個体差もありますが、1年に1~2回ほど羽毛が大量に抜ける時期があり、羽毛が生え変わります。
インコの新しい羽毛は生え方に特徴があります。
羽毛がそのまま生えてくるのではなく、羽鞘と呼ばれる白く細い筒のようなものが生えてきます。これがツクツク筆毛の正体です。
一見、白いトゲのように見えますが、この中に新しい羽毛が包まれています。
筒の先に新しい羽毛が少し見えている状態が筆に似ているので「筆毛」と呼ばれています。
筆毛は生え変わり過程の羽であり血流があります。
折れてしまうと、筆毛がストローの役割のようになり、そこから大量出血してしまうおそれがあります。
我が家のセキセイインコは筆毛が抜けそうになると、自分の口ばしで上手に取ります。
取りにくい頭のツクツク筆毛は止まり木に擦り付けて取りますので飼い主の手はかかりません。
インコがほぐしてほしいと言わんばかりに頭を押し付けて来るときは、応じてあげると愛鳥も喜んでくれるはずです。
カキカキで血流のない筆毛を上手にほぐしてあげる飼い主さんもいらっしゃいます。
ほぐしてあげることに問題はありません。
しかし、出血のリスクを避けたい場合は自然にとれるのを待っても大丈夫です。インコが触られるのを嫌がっている時もそっとしておいてあげましょう。
インコの換羽時
インコの換羽時は、新しい羽毛に生え変わる時期です。
換羽時、インコは健康な新しい羽を作るのにタンパク質をいつもより多く必要とします。
高タンパクのエサに切り替えて、インコをサポートしてあげましょう。
ペレットにはシードよりタンパク質が多く含まれています。換羽時用のペレットもあります。
ミックスシードでは、カナリヤシードや麻の実にタンパク質が多いです。
しかし、脂質も高いため与えすぎは注意です。
我が家では換羽時、ネクトンSを与えています。
エサや水に混ぜるだけで、とても簡単に必要な栄養素を取り入れられるのでお勧めです。
インコは通常、繁殖期が終わると換羽期を迎えます。
繁殖をしない飼育されているインコの換羽期は、おおよそ春と秋の2回です。
温度管理されて1年中温かい部屋で過ごすインコは、1年中換羽が続くこともあります。
また、雛から成鳥になる過程で雛換羽と呼ばれる羽毛の生え変わりの時期もあります。生後半年から1年くらいで始まります。
換羽時は、インコは新しい羽を作るため消耗が激しく体力も落ちます。
- 体重が減る
- 羽を膨らませて元気がないように見える
- イライラして攻撃的になる
- 尿の量が増える
などの症状が現れる時もあります。いつも以上にしっかり観察をしながら見守りましょう。
我が家のセキセイインコに与えている、飲み水に混ぜるネクトンをご紹介します。
インコが出血した場合
筆毛が折れて出血してしまった時は、折れている筆毛を探してピンセットなどを使って根元からまっすぐ引き抜きます。たいていの場合はこれで出血が止まります。
インコの血液量は、おおよそ体重の10%です。そして採血などで失っても大丈夫とされているのはその10%、つまり体重の1%と言われています。
鳥の総血液量は体重の10%であり、このうち採血可能量は10%です。
https://yokohamabirdclinic.jp/bloodtest/#:~:text=%E9%B3%A5%E3%81%AE%E7%B7%8F%E8%A1%80%E6%B6%B2%E9%87%8F,cc%E6%8E%A1%E8%A1%80%E3%81%8C%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
大量に出血すると命の危険もあります。出血しているのをみつけたら落ち着いてすぐに処置するようにしましょう。
まとめ ~筆毛には血流がある~
換羽時に現れるツクツク筆毛は自然ととれていくものなので、無理にほぐす必要はありません。
カキカキでほぐしてあげても問題ありません。愛鳥とのコミュニケーションにもなりますね。
換羽時、インコは新しい羽毛を作るのにいつもより多くのタンパク質を必要とします。
エサを換羽時用のものに切り替えたり、サプリメントを取り入れたりして、十分なタンパク質を得られるようにサポートしてあげましょう。
また、換羽時にはインコは体力を消耗して、体調を崩しやすくなります。
いつも以上にしっかり観察をしながら見守りましょう。
筆毛は生え変わり過程の羽で血流があります。
これが途中で折れてしまい、出血することがあります。
出血は、すぐに対処が必要です。
折れた筆毛を探して、ピンセットなどでまっすぐ引き抜いてください。
止血できます。
インコは嫌がると思いますが、慌てず落ち着いて処置してあげましょう。