インコの健康を考える際、最も頭を悩ませるのが毎日与える餌です。
20年ほど前は、アワやヒエを中心とした自然由来の配合飼料「シード(種)」くらいしか、インコの餌は選ぶことができませんでした。
しかも予め種の皮がむいてある「ムキ餌」そして「皮つき餌」と種類も2通りだけです。
ただ最近は犬・猫の様な「人工的配合飼料」通称「ペレット」などが販売されています。
栄養バランスを考えて作られていますので、食べ合わせなどで悩む必要は一切ありません。
その他にもインコが大好きな野菜。そして塩分・カルシウム補給など脇役の餌がたくさんあります。
今回はインコの餌についてクローズアップしてみましょう。
インコのご飯の種類
インコのご飯は『ペレット』という総合栄養食、そしてシードと呼ばれる『ムキ餌』『カラつき餌』のどちらかを主食として選びましょう。
ペレットは栄養素をギュッと押し固めたものです。ボレー粉・カトルボーン・塩土・野菜類などたくさんの補助飼料を含み、それだけあげれば健康に育ってくれる優れものです。
小・中・大型インコ用のものがあり全て手間いらず、一日食べ切れるだけあげればスクスクと育ってくれます。
一見、欠点らしい欠点が見つからない?ペレット…しかしネックはお値段でしょう。
そしてヒナ餌卒業のタイミングで切り替えないと、インコがなかなか慣れずに食べてくれないというケースもあります。
そして昔ながらの餌がシード(種)です。
大好物のアワやヒエを中心に多種多様な種子が混ぜられていて、インコの嗜好性は抜群です。
皮を剥いた「ムキ餌」そのままの「カラ餌」の2つがあります。
ペレットに比べ安価で食いつきもよく値段もかなりお安いです。
欠点はインコが「選り好みすること」と「食べ終わった後の殻が邪魔で、下にあるシードを食べれなくなる」「大型インコには合う餌がほぼない」…この3点が悩ましい所です。
補助餌としてCa・Na・ビタミンなどを含む、カトルボーン・塩土・各種野菜を与えなければいけないのも悩ましい所です。
我が家のセキセイインコには週二回、塩土を与えています。
インコ用餌入れの使用方法
インコ用餌入れは食べ切り用の“浅皿”そして常時インコに食べる量を選んでもらう“深皿”があります。
例外的に旅行などで家を空ける際に用意する『シードフィーダー』と呼ばれる、留守番用餌入れもありますが、この餌入れはあくまでその場しのぎに使うものなので、前者2つの餌入れを見て行きます。
『浅皿』は食べ切り用です。
大きな餌入れを用意するとインコが漫然と餌を食べてしまい肥満に繋がりかねません。
そのため一回ごとに食べ切れる量を用意するために使うタイプです。
ただインコの一回ごとに食べ切る量、そして飼育しているインコが一日を通してどのくらい餌を食べるのか、注意深く観察してから導入するタイプの餌入れです。
『深皿』は一度に多量の餌をインコケージ内にストックするタイプとなります。
ショップでの使用例が多いタイプですが、ヒナ餌を卒業したばかりの若鳥にはあまり向きません。
カラつきシード飼料だと食べ残しの皮に餌が埋もれてしまうからです。
種子を含むシードは重いため底に沈み、毎日カラを取り除かないと肝心の実入りシードをインコが食べる事が出来ないからです。
我が家ではちゃぶ台返しされないようにダブルタイプを使っています。
安全管理と衛生管理
愛鳥の健康の為に飼い主さんは餌(エサ)の安全管理と衛生管理をしましょう。
餌の安全管理と衛生管理
食べ残しは処分して毎日餌入れを水洗いして清潔にしてあげることをお勧めします。
餌入れが汚れていると菌が繁殖することがあり、その餌を食べてしまうと病気になる危険性があります。
また無農薬の粟穂やシードには虫がついている可能性がありますので、冷凍庫に1~2週間入れて殺虫してから与えましょう。
飼育環境の安全管理と衛生管理
インコが雛のうちは水入れで溺れないように、設置場所には気をつけましょう。
また、寒さにも弱いのでペットヒーターを使用して体調を崩さないようにしてあげることが大切です。
インコのケージは一週間に一度は水洗いしてあげて、フン受けはシートを毎日変えて清潔を保ちましょう。
放鳥時にインコが間違って食べてしまわないように、人間の食べ物や観葉植物の置き場所には気をつけましょう。
また飼い主さんの食べこぼしカスや、口のまわりについた食べかすにも注意しましょう。
気が付かないうちに食べてしまうことがあります。
インコを日光浴させるときには直射日光は避けて猫やカラスの襲撃を受けない場所を選びましょう。
インコが家の外に飛んでいってしまわないように、換気をするときはケージに入れるか窓を閉めた部屋に移動させましょう。
インコの爪が引っ掛かりやすい布やじゅうたんには気を付けて、愛鳥が休める止まり木を何か所か設置して怪我をしないように環境をつくってあげましょう。
我が家では、寝る時以外は放鳥させていますので部屋に何か所も止まり木とフン受けシートを設置しています。
時期によりお気に入りの場所を見つけては、おしゃべりの練習をしたり、羽繕いしたり、お昼寝をしています。
まとめ
インコが直接口にするのは水、そして飼い主が与える餌です。
そのため餌が劣化していたり、まして腐敗しているとなるとインコにダメージを与え、残念ながら死亡してしまう事さえあります。
ベテランになると食品乾燥材である“シリカゲル”を用意し、ジップロックに入れ冷蔵庫などの低温化で保存することさえあります。
小松菜やバナナ等も好むので、主食がインコの餌だとしても残留農薬などでダメージを受けることも否めません。
玉ねぎなどの刺激物を与えるのもご法度です。
ヨウムなどの大型・ウロコインコなどの中型・セキセイインコなどの小型種も、これは全て同じです。
おいしいご飯をインコに与え、寿命を全うするまで末永いパートナーとしてインコとは付き合っていきましょう。